10 月 27

以前、引き寄せスレで

「どんな願望でも持って構わない」

と書きました。
もしそうだとすると、こんな風に考えてしまう人がいるかもしれません。

「それじゃ『銀行強盗や殺人を成功したい』という願望も、持って良いことになるのではないか」

「『世界征服したい』という願望を、叶えることが出来るのか」

少しばかり、子供じみた発想だと思われるかもしれません。
しかし今回は敢えて、この部分について少し掘り下げてみましょう。

あ、その前にあらかじめ言っておきますが、そんな願望でも「持つこと」自体は問題ありません。
そのこと自体に「良い」「悪い」はありません。
また「叶えることが出来るのか」という問いについても同じです。
「可能」です。

さて、上記のような、いわば「破壊的な願望」を突き詰めてみると、あることが見えてきます。

例えば、

「私は銀行強盗を成功させたい!」

この願望を少し掘り下げてみます。

「どうして銀行強盗を成功させたいの?」
「そりゃ、成功すれば大金を手に入れることが出来るからだよ」

もう出てきました。
本当の願望は「大金を手に入れること」だったわけです。
では、他の願望についても同様に検証してみます。

「どうして殺人を成功させたいの?」
「社会に裏切られてばっかりで、ちっとも良い思いをしてないから。誰でも良いから復讐してやるんだ!」

またしても、すぐに出てきました。
目的は「殺人」ではなく「復讐」でした。
もう少し掘り下げます。

「どうして、社会に裏切られてばっかりで、良い思いをしていないの?」
「こっちが聞きたいよ!この現実社会は自分を受け入れたくないんだろう。なんか知らんが、社会全体から呪われてるんだ。だから良い思いなんて出来るはずがない」

お分かりでしょうか。
この人は、

「自分は社会に受け入れられていない」
「社会から呪われている」

という観念を保持していました。
ここをもっと掘り下げると、おそらく

「自分は人より劣っている」
「自分は嫌われている」
「だから自分は成功してはいけない」

このような思いこみが現れてくるでしょう。
ここではそれを割愛して、この人が持っているもう一つの観念について、追求していきます。

「どうして『誰でも良いから』復讐したいの?」
「とにかく、社会に仕返しをしてやりたいんだよ!」

もう少し、シツコク食い下がってみます(笑)。

「どうして、社会に仕返しをするために、殺すのは『誰でも良い』の?」
「俺を苦しめているのは社会だからだよ!だから、殺すのは誰でも良い」
「答えになっていません」
「だから!!苦しめているのが誰かなんて、個人的な特定は出来ないんだよ!
社会は全て敵だ!俺以外は敵なんだ!だから、俺以外の誰かを殺せば、それは社会に復讐したことになるんだよ!!」

かなりハッキリしてきました。

この人は、自分と社会とを「分離した、二極の対立構造」として捉えています。
「誰でも良い」というのは「実際には、そんな特定の相手は存在していない」からだと分かります。

お気づきでしょうか。

この人の求めているものは「愛」なのです。
受け入れられ、愛されたいというのが本当の願望です。
それは、表面上の願望として現れている「誰かを殺す」という目的を達成したとしても、決して得られるものではありません。
彼は、裏に潜んでいる本当の願望とは、まるで逆の願望を持ってしまっているのです。

殺人願望が「社会全体への復讐」ではない場合もあります。
例えば、こんなケースです。

「どうして殺人を成功させたいの?」
「アイツが憎くて憎くて、仕方ないからだよ!」
「どうして、憎くて憎くて仕方ないの?」
「アイツが、私に酷い仕打ちばっかりしてくるからだよ!」
「どうしてその人は、あなたに酷い仕打ちばっかりしてくるの?」
「知らないよ、そんなの!私のことが嫌いなんじゃないの!」
「どうしてその人は、あなたのことが嫌いなんだろう?」
「何か、私に気にくわないところでもあるんでしょ!!」

この人とその相手とは、継続性のある「特定の傾向を持った関係性」を築いていることが分かります。
その結果、この人は「私は特定の人物にとって気にくわない」という観念を持っています。
そして、この人の本当の願望は「特定の人物から嫌われたくない」つまり、「誰からも愛されたい」です。
この人の場合も、本当の願望である「誰からも愛されたい」とは、正反対の願望を表面上、抱いてしまっているのです。

このように「破壊的願望」には、その裏に正反対の「本当の願望」が隠れています。
そしてその願望は、表面的に保持している「破壊的願望」を達成しても手に入れることが出来ないものです。
その破壊願望が実現されると、むしろ本当の願望実現からは遠ざかってしまうことが分かります。
つまりそれは、幸せから遠ざかってしまうということです。

それでもあなたは「破壊的願望」を実現させたいでしょうか?

どんな願望でも、持つことは自由です。
実現させることも可能です。
でも、せっかくなら「本当の願望」の方を実現して、幸せを感じた方が良いに決まってます。

最後に、例としてあげたもう一つの破壊的願望である「世界征服」について、掘り下げてみましょう…

…ちょっと待ってください。内部から私に問いかけてくる声がします。
少し耳を傾けてみましょう。

「あなたは、どうして『世界征服』が『破壊的願望』だと思うの?」
「いや、だってそうでしょう。世界を意のままに操るなんて…」
「どうしてそれが『破壊的』なの?」
「それは、う〜ん…」
「ねえ、どうして?」
「…」

written by 108

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