まさに雑記 破壊的願望
10 月 14

壁は、自分と対象とを隔てます。
対象を自分のゾーンに侵入させないための、バリアみたいなものです。
それは精神的な面にも、肉体的・物質的な面にも同様に作用します。
あなたの安全を維持するため、このバリアは危険をシャットアウトします。

一見当然のように見えるこの活動には、逆に大きな問題点があります。
あなたは壁を作ることで自分自身を分割し、細分化して縮小していっているのです。

あなたにとって「現実」と見える外界は、実はあなた自身の内部からの投影です。
外界と見えるものは、あなた自身の一部なのです。

それがあなたにとって、好ましいものであっても、そうでないものであってもです。

それら全てをひっくるめて「あなた自身」なのです。
ところが、あなたはこれらに対して、

「これは自分にとって好ましいものだ。受け入れよう」
「これは好ましくない。壁を作り、自分から分け隔てよう」

このように取捨選択する度に、あなたは自分自身の一部を切り離しているのです。

あなたの目の前に、ある現実が提示された。
このとき、この現実はまだ、どのような属性も持っていません。
唯一「あなたの内部からの投影である」という属性を除いて。

ところが、これに対して、

「好都合だ」
「不都合だ」

このような判定をした途端、その現実は属性を持ち始めます。
あなた自身が選択したことによってです。
そして「不都合だ」と判定したことについては、あなたはそれを自分自身のものだとして「受け入れること」を放棄してしまいます。

文字通り、自らの一部を切り離してしまったわけです。

あなたは「受け取り拒否」しました。
しかし拒否したからといって、この「あなたの一部」は無くなったりしません。
言ってみれば「宅配便が届かなかった」というだけのことです。

配達できなかった荷物は、集配所に戻されます。
この集配所も、もちろんあなたの内部にあります。
そして、届かなかったため、再度配達されることになるのです。

あなたがある現実を、壁を作ることで受け入れなかったとします。
するとその現実は、形を変えて、再度あなたの目の前に現れてきます。
今度はその現実に「少しだけ」受け入れられる部分があるかもしれません。
しかし、他の部分については、やはり受け入れられません。
あなたは、またしても壁を作ることになります。

この活動は、永遠に止むことがありません。
そしてその都度、あなたは自分自身を細分化し続けているのです。
気がつけば、目の前には無数の壁があり、あなたを取り囲んでいます。
あなたは圧倒され、身動きが取れなくなっています。
しかしその壁は、あなた自身がせっせとこしらえてきたものに他ならないのです。
あなたはこうやって、自分自身をどんどん狭いスペースに追い詰めてしまっているのです。

この問題を、どうやって乗り越えたらいいのでしょうか。

答えは単純明快、「壁を作らないこと」です。

どんな現実が目の前に現れたとしても、それに対して壁を作らない。
自分の内部からの投影として、受け入れるのです。
それが、あなたにとって好ましいものであろうが、そうでなかろうが。

「これは嫌だ」と感じたら、その感情をも拒否しないで、充分に観察してみる。
その対象も「自分自身の一部である」という認識を持ちながら、愛を持って観察してみます。
「嫌だ」という感情を充分に感じきることで、その投影が現れた目的は達成されます。

荷物は届いたわけです。

あなたが壁を作ってきた対象は、単にその荷物を届けてくれる「配達人」に過ぎなかったのです。
今まで我々がしてきたことは、せっかく荷物を届けに来てくれた配達の人に対して、

「そんなものいらない。余計なことをしないでくれ」

と、配達人そのものを拒否していたようなことだった、というわけです。

とんだ見当違いでした。

どんな荷物であれ、その配達を依頼したのは「あなた自身」です。
それなのに、それをわざわざ届けてくれた対象に、感謝するどころか、否定して拒否するような態度を持ち続けていました。

でも、その勘違いは解消されました。
あなたは荷物を受け取り、配達人に「ありがとう」といいます。
荷物が届いたので、配達人の役目は終わりました。
彼がその荷物を持って、再びあなたの前に現れることはないでしょう。
荷物を受け取ってしまったので、逆にそんなことは不可能です。
あなたは荷物を部屋に持ち帰り、中身を確認します。
これで、一つのプロセスがめでたく完了しました。

こうすることによって、全ての対象における属性はニュートラルに保たれます。
あなたは、それに不都合な属性を与える機会から解放されます。
つまり、壁を作る必要がなくなったわけです。
もはや、対象をあなたから切り離す必要はなくなります。
こうして受け入れることで、それは「あなた自身」と統合されます。
同時に、同じ属性の無数の壁が消失し、分け隔てていたものとあなたとが再統合されます。
息苦しかったあなたの周りに、徐々にスペースが出来ていくのです。

こうしているとき、あなたの内部で一体何が起きているのでしょう。

あなたは愛を増幅しているのです。
受け容れることによって「否定」という属性を取り除いているのです。
つまりそれは、あなたが自分自身に幸せを許可している行為なのです。

ここで、ひとつ疑問が生まれます。

「壁を作らず、全ての状況を受け入れるということは、現実的な危険を受け入れることになるんじゃないのか?そんなことをしていたら、命がいくつあっても足りないよ!」

この疑問はごもっともです。
しかし「壁を作らない」ということは、何も「生命体としての安全を放棄しろ」ということではありません。

目の前に現れた人々に「片っ端から、抱きついてキスしろ」と言っているのではありません。
そんなことをしても「危ない奴だ」と思われるだけです(笑)。
また、猛スピードで突っ込んでくる車を受け入れ、そのまま轢かれろと言っているのでもありません。
当然ですが、そんな状況からは身を守るのが賢明です。

そういった「生命を維持するための、自動的で本能的な活動」を停止しろ、ということではないのです。

必要なのは「壁を作らない」ということだけです。

向こうから怖い人が歩いてきたら、その「怖い」という感情を充分に感じて観察してください。
しかし、その人も「自分自身の投影である」という認識に基づき、愛を持って受け入れてみてください。
あなたは普段そうしているように、普通に彼の横を通り過ぎるでしょう。
しかし、壁は作らないで済みました。
「自己の細分化のプロセス」は行われなかったわけです。

危ない運転をする車に、危うく轢かれそうになったら、

「危なかった、怖かった」

あるいは

「助かって良かった」

という感情を充分に感じ、観察してください。
そして、

「あの運転手は許せない」
「いつか復讐してやる」

と思ったら、その時の感情自体も充分に感じ、観察してみるのです。
しかし同時に

「あの車も運転手も、自分自身なのだ」

ということを思い出してください。
思い出したら、愛を持って受け入れてください。
そうすれば、自己を細分化しなくてすみます。

壁を作るということは、自らに制限を作るということです。

「ここからここまでが私です」
「それは、私から分離します」

こんな風にです。
その自ら設けた制限が、あなたの自我、つまり「エゴ」を形成していくのです。

このプロセスを中止し、目の前の世界を、あなたと再統合していってください。
そうすれば、あなたにとってのこの世界は、本来の属性を取り戻すことになります。
それは「愛」という属性です。

赤ちゃんの綺麗で純真なまなざしを、思い浮かべてください。
あのまなざしは、自我や分割という概念のない、愛に満ちた本来のまなざしなのです。
あなたが再びそのまなざしを持つようになれば、世界もあなたに愛を返してくれるようになります。
それはあなたが、世界に「愛」という属性を与えているからなのです。

どうでしょう。
「ひとつやってみようか」という気が起きてきたでしょうか?

「でも、大変だぞ。これまでに作ってきた無数の壁を、一つ一つ消去していくなんて。一生かかっても、果たして終わるかどうか…」

こんな風に心配しなくても大丈夫です。
あなたが、ある機会に壁を作らなければ、それと似たような壁は連鎖的に消えていきます。
あなたが「もう壁は作らないぞ」と決心して、機会ごとにそうしていると、その他の壁も次々と消えていきます。
無数にある壁は、まるでドミノ倒しのように、一気に崩れて消えていくのです。
壁がたくさんあればあるほど、壮大なドミノ倒しが起こります。
これは、爽快ですよ。

さて、最後にひとつだけ素敵なことをお伝えしましょう。
このドミノ倒しは、決してあなたの内部でだけ、起きていることではありません。
あなたがドミノ倒しを始めると、そのドミノは、他のあらゆる人たちのドミノも倒し始めるのです。
なぜなら、あなたと世界とは、実際には不可分だからです。

信じられませんか?

では、試しにドミノをひとつだけ、倒してみましょう。

全ては、この最初の「たったひとつのドミノ」から始まるのです。

written by 108

2 Pings to “壁(その2)”

  1. Yahoouj Says:

    −−−−−このコメントは管理者のみに公開されます。−−−−−

  2. どうしても苦手な人が気になったので調べてみました【今の自分を変える方法とは?】 Says:

    [...] ザ・チケット – 壁(その2)していました。 が、どうしても苦手な人を受け入れる事ができません。。。 壁を作らないように、その人の話題に合わせたり、がんばって沢山話しかけたりしているのですが、結局、本当の自分で接していないため、 疲れる→面倒くさい→もう話すのイヤ になってしまいます。…はてなブックマークより [...]


21 Responses to “壁(その2)”

  1. 1. asa Says:

    壁・2、とても為になりました。
    どうして108さんが愛に溢れているのか少しわかったように思います。
    自分も今から実践してみます!

  2. 2. Aal Says:

    愛を持って受け入れる、が分かりません。
    例えば今、クライアントから根も葉もない言いがかりを付けられて、約束の額は支払わない(半分なら支払う)と言われてるんですが、これも自分の知らない内面が投影されて目の前に現れた現象だろうというのは理解できます。
    で、嫌だなあ~と感じ切るのも分かるんですが、その後、その出来事や相手を自分の一部と思って愛を持って受け入れるって、それができるとどんな感じ・気持ちになるんですか?
    感覚として分からないんです。もういいよ・・・と諦めてしまうのとは違うんですよね?
    皆さん、これ感覚として理解できてる人いるのかな?

  3. 3. 田楽師 Says:

    108さん、お疲れ様です!
    読んでいて思ったことは、「比較」「競争」「上下観」「自尊心」
    これらの自我をベースとした観念が無意識に為されて壁を
    作っているんだなぁ、ということでした。
    ついつい、「こうあるべき」「これが普通だろ」等、期待感を持って、
    他者をコントロールしようとしてしまいますが、
    先ずは自分からなんだと、再認識させていただきました。

    さて、そろそろ、こちらにも愛というドミノが倒れて来るかな~(笑

  4. 4. Says:

    初めまして、こんばんは。正に今自分が逃げたくて仕方ない仕事に囲まれていると感じていて、どうにもつらい夜になりそうでした。
    囲まれているのではなく、そう感じているのは自分側であり。壁を作っているのも自分。ものすごくはっとさせられ、頭をがーんと殴られたような気がしました

    とても長くなってしまいそうなので、この辺りで自粛しようかと思います(笑)これだけは言わせて下さい、気付かせてくれて本当にありがとうございました。

  5. 5. key Says:

    いずれここでの記事をまとめた素敵な新刊が出る日を待ってますw

  6. 6. ノクターン Says:

    チケット面白かったです。煩悩君のブログを見て購入しました。僕自身のブログでも、宣伝しています。第7章ですね。
     僕も、実現君と津留晃一さんと半田広宣さんに救われて、「ああ見ている世界が 僕の心なんだな」と知って、もう変らないでいいと思えたときから、人生が変り始めました。
     ~したいという思いこそが、~できないわけで
    チケットを求める気持ちが、求められない。成功哲学を読むことこそが、成功できない。
     すでに 成功し 満足していることに、気がつけばいい わけですよね。
     そしてそれは、清貧というわけではなく、それに気づくと こういう経験がしたかったという ことが、世界のほうから訪れる。
     ただ、第7章の意味づけが 僕には難しく感じられました。
     ブログの更新を楽しみにしています。

  7. 7. サトシ Says:

    すばらしい!!
    ものすごく解り易いです。
    こんなにアッサリ納得できたのは初めてかも…

  8. 8. ななし Says:

    素敵なお話しですね。
    ドミノ倒しが一気に世界中に広がったら面白いでしょうねえ!

  9. 9. にゃにゃし Says:

    なるほどー。そうだったんだー。
    ものすごくよくわかりました。というか、忘れてたんでしょうね。

  10. 10. 錦之助 Says:

    世界中のドミノが倒せる!
    すばらしいです。
    戦争がぜんぶなくなって、
    世界が本当にひとつになったらいいなぁと思います。
    108さんのお話は、
    そんな夢を現実にしてくれますね、絶対。

  11. 11. 錦之助 Says:

    追伸です。
    世界がひとつに・・・という夢、
    108さんが現実にしてくださると書きましたが、
    108さん頼みにするのではなくて、
    自分からドミノ倒しを始めないと、ですね。
    考えるだけでワクワクしますね!
    ありがとうございます!!

  12. 12. N Says:

    >>11
    そうそう。全ての壁が取り払われた後に他人は居ません(というか、自分以外の
    一切がありません)。それまで他人と感じていたものの全てが自分に戻されます。
    つまり現在他人と感じている108さんなども全て自分ということになります。
    更に自他を分ける必要性がなくなるため「自分」も消えます。自分とは何かと
    考えた時に全くわからない状態になります。強いて言うなら世界全体が自分に
    なります。

    でも、誰でも子供の頃はそうだった筈で、これは単に昔の感覚を取り返すだけの
    ことです。頑張って特殊な能力を身に付けるわけではありません。むしろ特殊な
    ことをして本来の自分から離れようとすることをやめることです。新たなものを
    得るのではなくこれまでに溜め込んだガラクタを捨てることです。

  13. 13. ななし Says:

    1つ気になる部分があります。
    宅配便の荷物を受けとった後、部屋に戻って中身を確認する、というくだりがあります。
    これは具体的に何かをすることを指しているのか、
    機会があったら書いていただけたらと思います。

  14. 14. Says:

    すばらしいです。
    エゴと愛の対極関係をこうもあっさりと理解できるとは・・・
    明日の朝の通勤(満員)電車が楽しみです。

  15. 15. タロウ犬 Says:

    壁(その2)を読ませて貰ってから実践しまくりです。
    何かの感情が湧いてくるたびに意識して感情を感じ、
    受け入れてます。上手くいく時も上手くいかない時も有ります。が、嫌な感じがしたとき感情を感じる癖が付いた事で嫌な事に振り回されなくなりましたし、相手が自分が注文した物を持ってきてくれる配達人だと解ると感謝したくなる様になりました。こうしていると「周りの人=自分」に優しくなれ、世界が豊かに感じられます。
    108さん、ありがとう!

  16. 16. (´・ω・`) Says:

    まぁドミノ倒しもまずはドミノを並べないと遊べないというわけだぜw
    するってえとあれかのう……わしらはドミノを並べて自分を細分化して観察するため、そして観察を終えたらドミノ倒しをするためにこっちの世界にいるのかのう……あいや、独り言だぜw

  17. 17. (`・ω・´) Says:

    こんなとこでもだぜさん節がw

  18. 18. ルンルン Says:

    こんにちは。
    私もよく壁を作る人間なので、言っていることはよくわかります。
    すでに壁について気づいていたので、今まで壁を作らないような事はトライしていました。

    が、どうしても苦手な人を受け入れる事ができません。。。

    壁を作らないように、その人の話題に合わせたり、がんばって沢山話しかけたりしているのですが、結局、本当の自分で接していないため、
    疲れる→面倒くさい→もう話すのイヤ
    になってしまいます。
    だからと言って、本当の自分で接していれば、元の関係にもどってしまいます。
    壁を作らないとは、自分を偽ったり我慢したりして接する以外方法はないのでしょうか?
    自分も楽しい状態ではできないのでしょうか?

  19. 19. rapo Says:

    過去の記事にすみません、ずっと疑問に思っていたことが書かれていたので…。
    「赤ちゃんの頃は愛の眼差しを持っていた」というお話なのですが、なぜその後、自我や分割をし始めてしまうのでしょうか?
    上手く言えないのですが、「赤ちゃんの頃は愛の眼差しでいられた→それを投影した現実を作っていた」わけですよね?それならその後も愛の属性を持った、愛を返してくれる世界が周囲に投影され続け、自我や分割など必要とする場面は無いのではないかと疑問なのです。
    別の所で「子供の頃は純粋な愛を持っていたのが、大きくなるにつれ周囲の影響を受けて…」と説明されたりしたのですが、その周囲の影響は自分の投影のはずではないのか?とますます分からなくなるばかりでした。

  20. 20. Says:

    難しい。
    これが出来ないと人生ダメなのかな。

  21. 21. Says:

    苛められていたとして、苛めてくる人も自分の一部だと考えて、この状況は自分の内面の投影だと考えて、苛められる辛さを感じきれば、苛めは終わるのでしょうか?

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