1 月 21

今日は瞑想の話です。
私は瞑想について、これまでメソッドとしてはあまり取り上げてきませんでした。
ひょっとして瞑想についてお馴染みでない方もいるかもしれません。瞑想とはなんでしょうか。

めい‐そう【瞑想・冥想】
目を閉じて静かに考えること。現前の境界を忘れて想像をめぐらすこと。「―にふける」[広辞苑]

…う〜ん(笑)。辞書による説明だとこういう風になっちゃいますよね。

瞑想と言っても、そのやり方は色々とあります。
私も様々な瞑想法を試してきました。中には極度の集中を必要とされるものもあって(それって瞑想かぁ?(笑))終わった後にクタクタになってる、なんてこともありました。
それでも「これを習得すれば願望実現が待っている。そのためには頑張るぞ!」と一生懸命でした。今思えば懐かしいです。

それぞれの瞑想法にはそれなりの効果や利点があると思います。でも高度な瞑想法を独学で行っていったとき、途中で間違った方向に進んでしまう恐れもあります。こうなると面倒ですよね。そこで適切に修正してくれる指導者がいないわけですから。しかも取り組んでいるのは「自己の内面の深い部分」という、本来「触らぬ神に祟り無し」の領域です(笑)。仏教でも「阿頼耶識(あらやしき:平たく言うと潜在意識)」について、ここを利用することは現世利益を得ること(いわゆる願望実現)についても非常に効果的であることは知られていました。しかし意識の根底をうかつにいじくることの危険性も同時に知っていたわけです。

…さて、前置きが長くなりました。
今日ご紹介するのは「とってもシンプルな瞑想法」です。
上に書いたことは忘れて(笑)早速実践といきましょう。

108式瞑想法

「煩悩式瞑想法」って、なんか変ですよね(笑)。
では、やり方を説明します。

静かな環境を用意します。
グループでやっても良いですが、そこまで大層なものでもありません(笑)。簡単なので一人の方がやりやすいでしょう。
朝起きたときとか、夜眠る前の時間を利用すると良いです。一人で静かになりやすい時間だからです。

なるべくリラックスできる服装で行ってください。この面でもパジャマとかで行える起きがけや就寝前は最適です。でも、服装についてはそこまで神経質になる必要はありません。Gパンを履いていても、ベルトをちょっと緩めるとリラックスできます。

次に、あぐらをかいて座ります。あぐらが難しければ、椅子に座るのでも構いません。それも難しければ寝っ転がっても良いですよ。三分から五分間程度、楽にその姿勢を保てるのなら姿勢はどんなでも良いです。ふかふかのソファーに深く腰掛けるのでも、コンクリートの上であぐらをかくのでも(笑)、要はあなたが楽な姿勢を保てるならそれで良いのです。

背筋は自然にまっすぐ伸ばせた方が良いでしょう。でも、これも必須項目ではありません。無理のない姿勢でリラックスできればOKです。

環境が整ったら、いよいよ瞑想開始です。
目を閉じ、ゆっくりと呼吸します。

「い〜ち〜、に〜い〜、さ〜ん〜、し〜い〜…」

ゆっくりと心で数を数えながら息を吐きます。吐くのは鼻からでも口からでも構いません。
苦しくなるほど長くやる必要はありません。無理のない範囲でゆっくりと息を吐きます。心の中で数をカウントしながら。

息を吐いたら、次にちょっとだけ呼吸を止めます。これも無理のない範囲で数をカウントしながら行います。一つか二つ、数を数えるくらいの間で良いでしょう。
長く止めたから効果があるわけでもありません。苦しくなるほど止めないでください。どうしても苦しければ、ほんの一瞬止めるだけでも良いし、無理なら止める部分は省いても構いません。

次に、ゆっくりと息を吸います。これも鼻からでも口からでも構いません。息を吐いたときと同じだけカウントしながら、ゆっくりと吸い込みます。
吐くのと同じカウント数で吸い込んだら、またちょっとだけ息を止めます。さっき止めたのと同じだけ、苦しくない範囲で止めてください。

今度は息を吐きます。最初のサイクルに戻ったわけです。これを三分間から五分間行ってください。慣れてきたら十分間くらいすぐ経ってしまいます。でも、無理して長くやる必要はありません。気持ちよい範囲で行ったら、大きく伸びをして瞑想を終了します。眠るなり起きて活動するなりして通常の生活を続けてください。

なんのために行うのか

ここでちょっとしたコツを書いておきます。
瞑想中は数をカウントしながら呼吸に意識を集中します。
やってみると分かりますが、心の中で数を数えながら規則正しく呼吸をしていると、思考が働きにくくなり、勝手に呼吸だけに集中している状態になります。
あと、呼吸は腹式呼吸で行うと良いです。お腹の下の方を、吸うときは膨らませ、吐くときは凹ませる。慣れてくると楽に行えます。
二、三分、数をカウントしながら呼吸に集中したら、後はカウントを止めて普通に呼吸するのも良いです。リラックス感は持続しているでしょう。

ところで、この瞑想法の利点はなんでしょうか?
逆に聞きますが、あなたはこれを行うことによってどんな利点があると思いますか?

「願望がみるみる叶うようになった!」
「いくらダイエットしても痩せなかったのに、気がついたら理想体重になっていた!」
「長年患っていた持病が、いつの間にか全快していた!」
「憧れていたあの人と付き合えるようになった!」
「宝くじに当たった!!」

…あると思います(笑)。ないとは言いません。でも、そんなことが目的なのではありません。
この瞑想法は、あなたの願望実現と何ら関係はありません。この二つは頭の中で切り離しておいてください。

「なんだよそれ!それじゃ瞑想している意味なんてないじゃないか!」

本当にそうでしょうか?
瞑想しているとき、あなたはどんな感じがしましたか?
リラックスして、とても安らかな感じがしたのではないでしょうか。
どうしてでしょう?

思考が止んだからです。

この瞑想の利点であり目的は「思考を止めることが出来る」ということです。
あなたが生活している間、ありとあらゆる思考が途切れなく頭の中で渦巻いています。
瞑想というのは、この活動を強制的にストップできる極めて素晴らしいツールなのです。
瞑想しているとき、あなたは安らぎと平和を感じた。思考を止めただけでそれは訪れました。訪れたと言うより、最初からそれはここにあったわけです。思考のせいであなたはそれを感じられなかった。自らの思考で安らぎを感じることを妨害していたわけです。

これが「意識的に不足を支えている」ということの意味です。
あなたがそれを支えるのを止めた途端、元からある安らぎをいとも簡単に経験することが出来た。
これはとてつもなく重大な意味を秘めています。

貴重な経験

あなたが瞑想中に感じた平安。これは別の領域に触れている本当の経験です。
あらゆる条件付けを排除し、直に充足を経験しているという極めて貴重な経験なのです。

私はかつて、現象化をコントロールするために様々な瞑想法に手を出しました。
それを願望実現の手段と考えることで、そこで起きている本当の経験をないがしろにしてきたのです。
こういった本末転倒が我々の中でいくつも起きています。

何かを変えるためにそうするのではなく、そこにある貴重な経験をただするためだけに、瞑想をしてみてください。
コントロールするために瞑想を行うのではなく、直に充足を経験するためにそこに入っていってください。
それは手段ではなく目的です。

あなたは今、ひょっとしたら絶望の淵にいるのかもしれません。
あなたをそこに追い込んでいるものは何なのか。
一息つき、先の手順で瞑想をしてみてください。
ただ規則正しく呼吸をするだけの人になり、ぴたっと思考が止んだとき。
あなたは何を経験していますか?

このとき、絶望や不足を支えていたものの正体が露わになります。
あなたは思わず笑い出してしまうかもしれません。
あなたは絶望も不足も、最初からどこにもなかったという事実に気付くのです。

あなたには最初から充足しかありませんでした。その充足に直に触れ、その事に気付きます。
そして、それだけが唯一の真実なのです。

…ね、瞑想って素晴らしいでしょう?

誰にでも経験できます。是非試してみてください。

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written by 108

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